病気のご紹介
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小児骨疾患は、主に小児期(新生児期~思春期)に起こる骨の成長や骨の強度が十分ではない病気や骨を作るのに必要なカルシウムやリンの血液の値に変化がある病気をまとめた表現です。
小児骨疾患は、生まれつきの体質によって、骨の成長を調節する因子、骨を作る蛋白、骨の強さを調節する因子、血中のカルシウムやリンを調節する因子の働きが、強すぎたり弱すぎたりするために病気が起こることがあります。ここでは、軟骨無形成症、骨形成不全症、低ホスファターゼ症、X連鎖性低リン血症性くる病について情報提供しています。
X連鎖性低リン血症性くる病
ヒトの骨はカルシウムやリンなどのミネラルが適切に作用することで、正常な強度が維持されています。このことを“骨の石灰化”と呼びますが、小児期にカルシウムやリンが不足すると骨の石灰化が障害され、骨がやわらかい“くる病”と呼ばれる状態となります。くる病の中で特に体内のリンが不足したために生じるものを“低リン血症性くる病”と呼びます。この低リン血症性くる病にはいくつか種類がありますが、その中でもっとも頻度が高いものがこの“X連鎖性低リン血症性くる病”です。別名、ビタミンD抵抗性くる病とも呼ばれます。
詳しく読む低ホスファターゼ症
硬く丈夫な骨が作られるには、カルシウムやリンを中心とするミネラルが骨に適切に沈着することが大切です。このことを骨の石灰化と言い、その過程で様々な酵素や蛋白が役割を果たしています。その中の大切な酵素の一つに、組織非特異型アルカリホスファターゼ(以下TNSALPと表記)が知られています。TNSALPは、ピロリン酸という石灰化を妨げる物質を分解するとともに、ピロリン酸が分解されて出来た無機リン酸が、カルシウムと一緒に骨に沈着することを促します。このようにTNSALPは骨の石灰化に大きな役割を果たします。低ホスファターゼ症は、このTNSALPの働きが損なわれたときに発症します。
詳しく読む軟骨無形成症
こどもの身長が伸びていくのには、骨の端の方にある成長軟骨帯と呼ばれる場所が重要です。そこでは軟骨が縦方向に順序よく成熟して骨となり、骨が伸びていくので身長が伸びていくことになります。軟骨無形成症ではこの軟骨の成長が妨げられているために、骨がうまく伸びていけなくて腕や脚が短くなり、身長が低くなってしまいます。軟骨無形成症の大人の身長は男性で平均130cm、女性で124cm前後と言われています。
詳しく読む骨形成不全症
骨は、主要なタンパク質であるⅠ型コラーゲンにカルシウムなどのミネラルが付くことで、その強さを保っています。骨形成不全症は、全身の骨が弱く、軽い外力で簡単に骨折してしまう病気です。生まれつきの病気で、骨折を繰り返し、骨の変形が進む重症の患者さんから、骨折回数が多くても骨の変形が見られない軽症の患者さんまでいます。
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